明日は我が身


あるスーパーマーケットのレジにて。
自分の買ったものを精算してもらう女性、財布を見ておろおろしている。「じゃあ、洗剤はやめるから、いくらになる?」それでもまだお金が足りない。「今度お金を都合してくるから。」レジの女性は、お金を持ってきてからでないと無理、と冷たく言い放つ。おろおろが、ぶるぶるに変わり、財布の小銭をかき集めながら声を震わせて涙を流しながら懇願する女性。「でも、このおむつは必要で、このパンも必要。家で赤ん坊が一人で待っている。夫はいない。どうすればいいの・・・。」声を押し殺して泣く女性の後ろにはレジ待ちのお客さんの列。みんなの視線を浴びている。



これ、昨日見たテレビで、いわゆるどっきりカメラ。女性もレジの女性も役者さんで、女性の後ろに並んでいる人の反応を撮影しているのです。その結果はというと、

「どうしたの?お金が足りないの??泣かないで。いい、いい、私が払うから。」と初老の女性。
「いくら?30リラ?オレが払うから、もう行きなさい。」せめて小銭を受け取って、と言う女性を振り切る男性。
離れたとこからさっとやって来て「これで払って。」とクレジットカードを出す20才そこそこの男性。

みんなが助けてあげているのです。

そこで、仕掛け人の男性登場。こういうドッキリ的な番組は好きではないのですが、この男性がまたすごく感じの良い温厚な重役っぽい人で、この番組をとてもいいものにしているのですが、カメラマンと共に彼らの元へ行き、「彼女を助けてくれてどうもありがとうございます。」と、握手してハグ。テレビの収録だということを明かします。すると、昔のことを思い出したのか泣きだす初老の女性。「見ていられなかったから。」と恥ずかしそうにする男性。「彼女のためではなくアッラーのため。」という女性。そして、若い男性が言った言葉は、「Bana da ayni olabilir(=自分も同じ立場だったかも知れない。)
もしラマザンがこういう状況に出くわしても、絶対同じように助けてあげるはず。「明日は我が身。」ラマザンがよく言う言葉。

自分が日本にいる頃なら、「お金もないのに子供を産んで、どうするつもりだったの?」と、さっさと違うレジに並んでいたはず。自分は冷たい人間だなー、と改めて思う。実際に日本ならどれくらいの人がこういう人を助けてあげるのか、興味があるところ。

世の中のすべての人を助けることはできませんが、目の前にするとほっとけないのがトルコ人。住んでいるといろいろありますが、この国の、こういうところが好きなんです。


イスタンブール行きたいな~




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トルコ

Comment

しつこく連投

ごめんなさい。
感動しちゃって、涙ボロボロ。
で、書かずには居られなかった。

私もどうかな?
私はお芝居だと思っちゃうかも。
だって、夏にひっきりなしに来る物乞い、
特に子連れに対して、ものすごい冷たい私。

そう、金ないなら、赤ん坊作んな!って、言って
追い返しているもん。

確かにオヤジがそこにいたら、
オレが払ってやろうと、財布を持っている私に
きっと言うはず。
  • 2016⁄02⁄11(木)
  • 22:33
  • [edit]

いい話ぢゃね。

以前ショッピングセンターの非常階段で隠れるようにして、試食をほおばってる初老の女性を見たって話をおばばにしたら、
「なんでパンの2~3個買ってあげんかったんねっ!」って怒られた。。

心に余裕・・持ちたいものです。
  • 2016⁄02⁄12(金)
  • 10:33

おっしゃるとおり

> ラム子さん
こちらの役者さんの演技力の賜物かなーと思いました。何テイクしているかわかりませんが、せっぱつまった様子で徐々に涙ぽろぽろ。しかも、「誰か助けてー。」という感じではなく、本当に困ってどうしたらよいのかわからない風を自然に、かつ大げさに(笑)演じられていました。

> そう、金ないなら、赤ん坊作んな!って、言って
> 追い返しているもん。

私もそう思っていた一人ですが、でも何が起こるか分からないのが世の中。出産した後で不慮の転落人生を歩まざるを得ない人もいるのでは、と思うようになりました。

> 確かにオヤジがそこにいたら、
> オレが払ってやろうと、財布を持っている私に
> きっと言うはず。

爆笑!


  • 2016⁄02⁄12(金)
  • 23:09

パンは菓子パン?乾パン?

> みくろまんさん
おばばさんも、若い頃苦労なさったのでは。しかし、その試食爆食い女性のような方に限って実は大富豪、ということがあるのが日本という国の不思議。

以前、スーパーマーケットで一人で買い物カゴを持って夕食の買い物をする男子大学生を見かけたおばばさん、「家についてって晩ごはん作ってあげたい!!」と、鼻の穴を膨らませて言ってました。そういう出張ビジネス、儲かるかも。キャッチコピーは「おふくろの味、作りに行きます。」
  • 2016⁄02⁄12(金)
  • 23:20

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